2011年1月3日月曜日

MOTのススメ(2)

(MOTのススメ(1)の続編です)

しばらく間隔が開いてしまいました。先日MOTを修了しましたので、私の個人的な経験談としてのMOTを少し。

- 膨大な授業・GW・レポートの山

私の行っていた東工大MOTは修了単位が40必要で、入って一年目は授業の出席やその中で課せられるグループワーク、ケーススタディ、レポート、プレゼンなどの膨大な課題に圧倒されます。社会人学生は仕事と両立できるか不安に駆られ、現役学生も就活との兼ね合いでだいぶ苦労します。幸い私は既に修士を持っていたので、単位認定を使ったのと、フレックス勤務を活用して必要単位は1年目で取り終えたのですが、他の人たちはもっと大変そうでした。なので一年目は心理的にも時間的にも余裕がなくて、課題をこなすのがやっとの毎日です。

- だんだんはまってくる

こんな感じで大変なのですが、もともと問題意識があってMOTに入ってくる人が多いのと、普通の大学の授業とは全然違う授業スタイルに、徐々にはまっていく人が多いです。「企業とは何か」とか「技術者とは何か」とか基本から入り、学生同士でプレゼンやディベートをしながら、まさに潰しあっていく感じです。最近のイケてない企業では、社内の会議ですら議論を避けるような雰囲気がありますが、MOTに入ると、ディスカッション好きになる人が多いです。

- いろんな人がいる

東工大MOTは場所柄か、校風か、メーカーの中間管理職みたいな人が多いですが、色々なバックグランドを持ってる人がいて面白いです。中小企業/ベンチャーの社長・役員や、コンサルタント、証券マン、研究者などなど。1年目は授業が忙しくて余裕がないですが、実はMBAやMOTはネットワーキングの貴重な機会だったりします。私は1年目の後期ぐらいから、学外のセミナーや交流会にもなるべく参加するようにしていて、だいぶ交流も広がりました。海外の名門ビジネススクールでは、大学の授業よりも学生間でのコネクションを作ることがよっぽど重要な財産だったりします。日本のMOTもゆくゆくはそうなるといいですね。

- 研究と実務のはざまで

MOTは実務家養成のために作られた専攻とはいえ、大学ですので修了には研究的要素が求められます。私はサラリーマン研究者なので、それほど苦労はなかったですが、実務畑でやってきた人たちにとっては修論でいきなり研究的な視点:新規性、有効性、論理展開、データによる検証などが求められてきますので、そこで苦労する人は多いです。そもそも授業では観念的なものや、べき論みたいな内容も結構あるので、修了間際になっていきなり研究的視点を求められるのはちょっと酷ではあります。また専門職大学院には研究家教員だけでなく実務家教員を一定割合以上入れなければいけないという縛りがあるので、研究家教員と実務家教員との間で温度差がある場合も多いです。

- MOTに入って良かったこと・悪かったこと

まとめますと、私がMOTに入って良かったと思うことはこんな感じです

  • マネジメント、イノベーション、ファイナンス、アントレプレナーシップなど幅広く学べて楽しい
  • ディスカッションが上手くなるし好きになる
  • ネットワークができる
逆に悪かったというほどではないですが、副作用もいくつか

  • 「だから日本の企業は。。」みたいな上から目線でものを言うようになる
  • 会社で議論を吹っ掛けすぎると、面倒くさい奴と目をつけられる

とまあ私の場合、総合的な満足度は高かったです。機会があれば海外MBAなんかもいいかなと思ったりもします。ただ、自分の仕事や人生に役に立つかはこれからですね。